横浜市のビッグネーム vs CCCのビッグデータ

本日、先般より開示請求を掛けておりました、「横浜旧東海道みどころ巡り」のウォーキングイベントでT-ポイントを使う件の開示文書が届きました。

  • 文企第310号 「横浜旧東海道みどころ巡り」ビックデータを活用したPR・マーケティング依頼
  • 文企第334号 記者発表(10月9日)「自治体初!イベントプロモーションにTポイントを活用!」について

(文企第334号配布文書添付文書

で、ざっと開示文書の目を通して思ったこと・気がついたことを列挙。

  1. 横浜市の目的は、告知・集客・データ収集である
  2. イベント参加者の属性を横浜市が欲しがっている
  3. 横浜市が『ビッグデータ』の活用をしたがっている
    (ビッグデータというより自前で用意できないアウトバウンドリスト程度ですが…)
  4. ターゲットは首都圏エリアに限る
  5. 店舗でのPOSクーポン配布を委託内容にあげている
  6. イベントを通じてCCCが得た情報の2次利用について規定がない
  7. CCCが持っているのは“ビッグデータ”ではなくRAWデータであるという認識が横浜市にはなさそう(起案の内容からそう読める) ←一部訂正
  8. 参加者はMAX50ポイントに釣られて何処までこのイベントに参加するんだろう…

5~7を考えるとCCCは横浜市というビッグネームを借りながら、税金から費用もいただいて、参加者のカモリストも作成できて一石三鳥なんじゃないだろうかと感じております。

特に、7に関しては単なる顧客DBのRAWデータに由来した統計分析と“ビッグデータ”の混同が世の中では当たり前なんだなと改めてしみじみと。  ←書いた本人も意味が不明

(追記)“ビッグデータ”という表現についてですが、CCCが保有してるのは『ビッグデータ』に間違いないと思いますが、横浜市が利用する部分はExcel2003レベルで処理できる「販促用リスト」に過ぎないよなぁ、という感想で書きましたが自分でも意図が読み取れませんでした(;´Д`)
夜な夜な飲んでから勢いだけ書いたので許して…

それ以外の観点ですが…

これいわゆる「電子起案システム」でスゲーです。何処の田舎町の“なんちゃって公文書電子化システム”とはわけが違いますよ。我が社も電子稟議を採用したいなと鑑を見ただけでおもいましたよ。

あと、CCCと組む是非はさておき、随意契約の理由として以下の内容はしっかりしているでしょう。

「首都圏エリアに店舗網を持ち、保有するビッグデータを活用した、年代・性別・居住地等の属性を絞った直接的なイベント告知から、イベント参加率の把握、またイベント参加者の属性分析によるマーケティングまでを一貫して実施できる、日本国内唯一の企業であるため。」

どこぞの、なんちゃって「自治体運営形通販サイト」の随意契約理由と比べると、まぁこれなら通るだろうなとは思います。
(だからと言ってCCCを担いでる訳ではないですよ!)

横道にそれましたが、開示文書は詳しく読み込むとして、追加での開示請求が必要なことは確定しました。

  • CCCとの契約に至った経緯
  • 本イベントの結果報告の内容
    (CCCの持つパーソナルデータからのアウトプットはどのような物か)
  • パーソナルデータの利用について踏み込んだ契約内容ではない点(横浜市個人情報の保護に関する条例との整合性など)

いやぁ、結構なテーマになるじゃないですか。

つづく。

横浜市のビッグネーム vs CCCのビッグデータ” への2件のコメント

  1. 自治体とCCCが絡む事例は #公設ツタヤ問題 の増大もさることながら、こういったイベント絡みが多くなってくるのかもしれないですね。自治体は公務員削減等で内部での問題解決力が低くなっていますから。
    本件は下手をすると #たけお問題 に近いくらいリソースが必要になるかも。いつもありがとうございます。
    自治体は民間との協働も良いですが、何を相手に渡しているのか、その影響は何かくらいは、きちんと内部で検証して欲しいものです。使うリソースは公金なのですから。

    • 委託契約の内容を見て委託側(横浜市)が見えていないなと思う点が、“ビッグデータ”を利用しているように見えて“ビッグデータ”の生成に一役買ってしまっているところですよね。
      イベント参加者のプライバシーについてどう扱うかなど事前の取り決めがない点が非常に心配です。
      その辺りもCCCに丸投げという意識なのかもしれませんが。

コメントは受け付けていません。