「ハブダイナモの出力をスマホ等につないで充電したい」
自転車旅だとそう思う人も多くて、USBのDC5Vに変換して充電するんだというブログ記事とがまあまああるんですが、大体共通の課題が。
下り坂でスピードだしたらスマホが故障した、せいぜい5V-500mA(2.5W)程度止まり、などなど。
今回は途中経過をすっ飛ばして結論から。
「3倍の速さで走れば、3倍発電します。」
ハブダイナモの発電能力を最大限に引き出すことが出来る様になりました!
まだ電気的性能をちゃんと測定してないのですが、30km/hで走行すると約8W約6Wの発電が可能です。これまでのハブダイナモ発電では難しかった下り坂で45km/hなら1.5倍の約12W約9W、60km/hなら2倍の約16W約12Wの電力が取り出せます。
(下り坂を60km/hで走ることを推奨しているわけではありません。7/21一部修正)
出来上がった電力変換回路がこれ。
ゴテゴテしてますが、大まかな役割はこんな感じです。
- 左上にハブダイナモからの出力をつなぎます。
- 黄色の枠が、ダイオードブリッジでハブダイナモ交流出力を直流に変換します。
ただし、通常の整流用ダイオードを使用すると0.6V x 2=1.2Vの、低損失のショットキーバリアダイオードでも0.3V x 2=0.6Vの損失が発生するため、MOSFETを利用した理想ダイオードブリッジを使用しています。 - 水色の枠が、降圧DC-DCコンバータです。理想ダイオードブリッジで直流に変換した電気を、ニッケル水素電池に適した電圧に降圧します。
- 赤色の枠が、この回路のミソです。ハブダイナモの特性から速度に応じた適正な電圧を求める演算回路です。この回路があることで、速度が上がればその分多くの電力を取り出せるようになりました。
- 右下がニッケル水素電池6本につながる線です。定格で1.2V x 6本で7.2Vとなります。
あとは、この7.2Vを別のDC-DCコンバータで5Vに変換してUSB端子へ充電したり、7.2VをそのままLEDライトの電源として使用します。
まぁ、5年越しの構想だったんですがようやく実現しました。
あと、ハブダイナモを応用した風力発電や小水力発電、はたまたコアレス発電機を自作しての風力発電なんかにも応用して、発電効率をぐっと上げることが可能になると思います。
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